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拳で年収105億円、スポーツ界で最も稼ぐ男の理由

 世界のプロスポーツ界で最も稼ぐ選手は誰か。米経済誌フォーブスが今年発表した年収ランキングで、1位に輝いたのがプロボクシングで46戦無敗、スーパーウエルター級など5階級で世界制覇したフロイド・メイウェザー(米)だ。対象期間となる昨年6月1日からの1年間で、手にしたお金は「約105億円」。多くのスーパースターがいる中で、なぜこの男に富が集まるのか。

■世界を挑発、視聴権も好調

 メイウェザーはスラム街からはい上がり、アメリカンドリームを成し遂げた37歳だ。「史上最強」とも言われ、人気は揺るぎないが、ボクシングファン以外からも注目を集める。恋人への暴力などで刑務所に入り、人気アイドル歌手ジャスティン・ビーバーらとの交流を見せつけ、自らの高収入を誇示して世間を挑発する。

 そんな男が、いつまで勝ち続け、そして、いつ負けるのか。愛憎入り交じった周囲の思いが、メイウェザーに巨額の利益をもたらしている。

 大きな財源は、お金を払って視聴権を買うペイ・パー・ビュー(PPV)・テレビだ。米国でボクシングの人気カードは、日本のように一般のテレビ局では中継されない。高額なチケットを買えないファンがライブで試合を見るには、PPVが唯一の手段。平均で約7千円。視聴権はテレビのリモコンボタンを押せば簡単に買え、メイウェザー戦は1試合平均約135万世帯が購入する。

 昨年9月、メキシコの若き英雄サウル・アルバレスとのスーパーウエルター級王座統一戦は、PPV史上2位の約220万世帯が購入し、売り上げは約150億円。チケット代などを合わせると、総売り上げは200億円を超え、メイウェザーは約42億円のファイトマネーを獲得。今年5月のウエルター級王座統一戦では、70億円近くを手にしたとされる。

 メイウェザーがこの1年で戦ったのは2試合で、ともに12ラウンドの末の判定勝ち。リングで戦ったのは計72分。年収約105億円のメイウェザーは計算上、1分で約1億4500万円を稼いだことになる。

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